黒子の黒い腹のうち

ひいた男、ムカつく女。

超鈍感セクハラ男(14)引き出しを勝手に開ける。

kuroikuroko.hatenablog.com

 

もともとなぜ私がT氏のアプローチに対して黒だと断言できなかったかというと、T氏はかなり天然のうえ配慮が足りないところがあるからだ。

 

しかも飲み会やイベントごとには積極的で人付き合いが好きそうだった。

 

単身赴任なので寂しいのもあるだろう。

 

なので退社直後にメールが届くようになった時も、はじめはT氏の中では人付き合いとして普通のことをしている感覚なのかとも受け取れた。

 

その場合は、”既婚男性から独身女性にメールをする”というデリカシーのなさは、そこがまたT氏らしいとも思えた。

 

(まぁ男が女にメールするのは何かしら下心あるんだろうとも思っていたが。)

 

故に「黒」ではなく「グレー」だった。

 

T氏が指揮命令者になるまで半年間の付き合いがあり、ある程度どういう人かを見てきたため余計わからなかったというのもある。

 

 

 

メール以外でT氏のデリカシーのなさはというと、例えば勝手に人の机の引き出しを開けるところだ。

 

これはマジでありえない。

 

しかも本人が着席中にやるのだ。

 

 

 

当時の机の並びは、左から私・K氏(元指揮命令者)・T氏だった。

 

K氏離席中のある時、T氏がK氏の引き出しを一段ずつあさっているのが視界に入った。

 

それもちょっと引いたし何してんだと思ったが、そこは男同士・社員同士、この変な会社では普通なのかなと気にしないことにした。

 

他の会社でも見たことあるし。

 

しかし。

 

T氏はその流れで私の方へ来て、私の袖机の引き出しを何も言わず開けたのだ。

 

 

歯。

 

何?

 

夢?

 

幻?

 

何してんだオマエ。

 

 

 

私は半年ちょっとの短期契約の派遣。

 

毎年繁忙期の秋から年度末にかけて派遣を大量に雇い一気に切る、というのがこの会社の方針。

 

机も個人で使用していいとあてがわれたものではあるが、中身は入ったまま渡されるため、確かに私物だらけではない。

 

自由に使っていいと与えられたがよく分からないものがたくさん入っており、半分は”自分だけのものではない”という感覚で使用している机ではあった。

 

が、

 

引き出しは整理して袖机の下2段は私物を入れている。

 

 

 

女の物を勝手に触ること自体にびっくりだが、着席しているにも関わらず本人に一言もなく引き出しを開けられたのには非常に驚いた。

 

「なんですか・・・!?」と聞くと、

 

「クリップ探してて」

 

そう言いながら2段目も開けようとしたので「そこはちょっと(私物入ってる)」と止めた。

 

するとT氏、今度は私のお腹の引き出しをガッと開けた。

 

オイ!!!!!

 

黒子が座ってんだろうが!!!!!

 

「ちょっっっっっっと・・・・!!!(バカヤロウ)」と私は鼻で笑った。

 

「ああすいません」と言われたが遅いわ。

 

 あんたが探しているクリップはここにはないと告げると去って行った。

 

 

何度も言うがこれはマジでびっくりした。

 

着席してる時は机にお腹がほぼひっついている。

にも関わらずお腹にある引き出しを急に開けられたのだ。

 

天然の一言では片付け難い。

 

デリカシーなさすぎだろ。

 

 

だがこれは一度ではなかった。

 

次は袖机からではなく、無言で近づいて来て急にお腹の引き出しを開けられた。

 

「・・・・・っ!!!!!」黒子びっくり。

 

その時もまたクリップだか何だか探していると言われた。

 

 

これについて、ちょうど連絡をくれた別会社の友人に話してみたところ、

 

「ないわー!それ完全に黒子の許容範囲探ってんじゃん」

 

と言われた。

 

 

なるほど。

 

私が怒らない限りはどこまでも入ってくるのか。

 

引き出し開けても怒らないから俺のこと拒絶してないなって?

 

探り方がバカだな。

 

マジで肝。

 

 

つづく