お嬢サト子の裏切り(19)サト子、友人の名前を正確に書けない。
そのままサト子の挙式の話になった。
その年の9月○日に予定しているとのこと。
ちなみにダンナとの出会いはやはり紹介という名の合コン。
お互い結婚相手を探していたとのこと。
2人とも人前に立つのが苦手で挙式や披露宴なんて考えていなかったようだが、ダンナが頻繁に友人の結婚式に呼ばれており、招待してくれた人たちを今度は自分の式にも呼びたいと言い出したらしい。
サト子はやるなら本当は身内だけで行いたかったらしいが、ダンナの希望に合わせて折れた。
他人も呼ぶことになったらしい。
入籍を2ヶ月後に事後報告受けた上に何年も彼氏がいなかったと嘘をつかれていた私は、この日はとにかく心中穏やかではいられなかったが、サト子の結婚式は楽しみだった。
私は結婚式に出席したことがなかった。
信頼している友人もいなければ、招待されたことはあっても状況的に行けないことが多かった。
なので親友の結婚式に出席することが夢だった。
サト子「じゃあ招待状送るね!」
ところが後日。
サト子からメールが届いた。
サト子「結婚式の招待状を送りたいんだけど、黒子のフルネーム、正式な漢字教えてくれる?自信なくて・・・」
歯。
10年以上も付き合ってるのに?
誕生日も覚えてくれないし、心底腹が立った。
特殊な漢字なら確認するのは分かる。
同じ読みで見た目がほぼ変わらない漢字なのに点の位置が若干違うとか、髙か高か、崎か﨑かとか。
でも私の名前はそんなのに該当しない。
私は名前の間違い等、名前に関して覚えていないというのは大変失礼なことだと思っている。
点の位置や上記であげた漢字など「どっちでもよくない?」という人は好きではない。
相手を軽視している。
どうでもいいと言っているのと同じだ。
その漢字でないとその人ではない。
名前はその人そのもの。
字が少しでも違えばその人ではない。
少し話が逸れたが、
10年来の友人の名前が分からないなんて失礼極まりない。
どうでもいい相手だと言われているような気分になった。
私は言い方を考えたが、やはり失礼だと思ったので
「黒井黒子だよ!もう、何年付き合ってると思ってんの!?(笑)」
とちょっと強い言葉で返信したと思う。
サト子「ごめん;ありがとう☆招待状送るね!」
簡単な返事が届いた。
しかしその後、 またまた予想外が頻発する。