お嬢サト子の裏切り(20)式キャンセル
それから数日後、サト子から着信があった。
サト子から着信!?!?
サト子はドケチで基本電話はかけない。
その時私はバス内だったので、電話には出られずLINEを送った。
帰ったら電話する、何時頃になると思う、と。
しかし、しばらくするとサト子が、
「ダンナ帰ってきちゃったから、また今度」
と言ってきた。
うん?
ダンナがいたらできない話・・・・?
またしても違和感を覚えた。
同じやり取りはその後何度かあり、ようやくサト子と電話で話せることになったのだが・・・
サト子「式、できなくなっちゃった・・・」
なんで。
サト子曰く、ダンナの身内に不幸があったらしく、急遽結婚式はできなくなった、キャンセルしたとのこと。
そのダンナの身内というのもサト子は把握してないらしく、あまり詳細は聞かされていないらしかった。
そこも不満があったらしい。
ちょっと蚊帳の外だったようだ。
妻が出向くほどのことではないとダンナに言われたため、ダンナだけ地元に戻ったとのこと。
残念。
しかしなぜそれ(ダンナの身内に不幸があって式キャンセルした)をダンナがいる前で話せなかったのかを聞くと、
サト子「だってダンナのせいで結婚式できなくなったってグチってるみたいじゃん」
なるほど。
そしてサト子は落胆していた。
はじめは身内だけでやりたかったものを、ダンナが他人を呼びたいと言ったためにサト子が折れ、ようやく気持ちの整理がついてウェデングドレス選びという楽しみが出てきた矢先に式ができなくなった、拍子抜けしちゃった、とのことだった。
するかしないかの選択肢で迷っていたのに、まさかできなくなるなんて思わなかったと。
なるほど。
サト子は何度もため息を吐いた。
サト子「とにかくこのあと全くどうなるか分からなくて・・・年内はできないだろうし・・・また動きがあったら随時連絡するね」
しかしそこからサト子とは音信不通となった。