黒子の黒い腹のうち

ひいた男、ムカつく女。

お嬢サト子の裏切り(3)ケチな女

kuroikuroko.hatenablog.com

 

サト子はとにかくケチだ。

 

金持ちの娘なのにとにかく自分がお金を使わなくて済むようにと考える。

 

 

 

①参考書

 

当時私はCD付きの英単語帳を使っていた。

 

そのCDを貸してくれと言われたことがある。

 

歯。と思った。

 

そもそも人の勉強道具借りようって神経が知れないが、”CD貸して”は要するに録音して返すんだろ?

 

私はお金使って購入したものをなんであんたにタダで提供しなきゃならんのだ。

 

その他の参考書もコピーするから貸してと言われたことがある。

 

かましい。

 

もちろん全部断った。

 

 

 

②美容院

 

当時サト子はショートヘアだった。

 

自分で髪を切るときに一度大失敗して一箇所ハゲてしまったため、一時的に帽子を被って登校していたというエピソードを聞いたことがあった。

 

黒子「え、自分で切ってるの!?美容院行かないの?」

 

サト子「だって高いじゃん!!」

 

開業医の娘なんだからそこは必要経費として金かけろよ。と思った。

 

親もそんな失敗目の当たりにしてるなら美容院代くらい持たせてやれよとも思った。

 

 

 

③ケータイ電話 

 

美容院同様、ケータイ電話に関してもすごくケチだった。

 

当時はネットは1ページ毎に金額が発生しており、現在のような感覚でネットを見ていると月請求額は簡単に10万は超えてしまっていた。

 

なのでサト子はもちろんケータイでネットは絶対に見ない。

 

そしてどんなにサト子都合の用事で電話の方が早くても、サト子からは絶対に電話はかけない。

 

メールオンリー。

 

サト子「私、絶対ケータイでネットも通話も利用しない!高いじゃん!!」

 

そうだけど。

みんなが遊びに行く場所等調べてる時も絶対にサト子はケータイを開かなかったので何が何でもネット使わない気だなと思った。

 

 

着信音もデフォルトの「プルルルル」。

 

当時は着メロ・着うたが流行っており、どんなにケチな子でも一曲はダウンロードして設定していたものだ。

 

別にデフォルトの方が分かりやすいし、その音が好きならそれでもいいとは思っていたが、サト子がそれをやるとどうしても”お金使いたくないからだ”と思ってしまう。

 

別にいいんだけどやっぱりケチだなと思った。

 

 

 

④制服のスカート

 

私たちの通っていた高校は通信制のため基本的に服装は自由だった。

 

だが高校生が日中私服で家を出ては何かとご近所の目を引くものがある。

 

服装自由なので大体の生徒は好き勝手に自分好みの制服をコーディネートし、買って着ていた。

 

私もスカートだけ購入し、ブラウスなどはお下がりを着たりしていた。

 

サト子はというと、某女子高のセーラー服のスカートをどうにかウエストで巻いてミニスカートにしてブラウスと合わせていたが、地元のセーラーのスカートというのはものすごく長くて巻くのが大変だ。

 

その上、肩紐までついているので邪魔なのだ。

 

しかもどうミニにしたって”セーラーを無理やりミニにした感”は消えない。

 

サト子はどうにか我慢してコレで過ごしていたのだが、私や他の子と知り合ってからそこに頼ろうとしてきた。

 

ある晩サト子からメールが届いた。

 

サト子「黒子にお願いがあるんだけど・・・」

 

嫌な予感。

ちなみに参考書類を貸して欲しいと言ってくるときもこんなメールから始まる。

 

サト子「黒子のお姉さんって○○高出身だったよね?スカート貸してくれないかな?」

 

・・・。

 

なんだろう。モヤっとするのは私だけだろうか。

 

貸すっていうのはもちろんサト子が卒業するまでの間だ。

 

私は嫌気がさした。

 

なんでも借りて済まそうとする人間が嫌いなのもあるが、これがサト子の初めてのお願いだったとしても嫌だ。

 

基本的にサト子のお願いは”仕方がない”と思えないのだ。

 

でも私の感覚がおかしいのか?と若干麻痺してきたため一応姉に聞いてみた。

 

姉には即断られた。

嫌に決まってる

なんで知らない子にスカート貸さなきゃいけないのか

知ってる人でも嫌だ

とバッサリ。

 

姉は黒子以上に神経質だった。

 

サト子には断りのメールを送った。

「知らない人に服を貸すのは抵抗があるみたい」

と書いた。

 

それで話は終わるかと思ったが、

 

サト子「じゃ黒子、祥子先輩の連絡先教えてもらえないかな?」

 

と返信してきた。

 

祥子先輩(仮)。

一つ上の学年の卒業生。縁があって仲良くしていた先輩だ。すごく可愛い。

 

サト子は祥子先輩に少し憧れていて”紹介して欲しい”と言われたことがあり、機会があったので一応紹介はしたが、実は祥子先輩はサト子のグイグイ攻めてくる会話に快く思ってはいなかった。

 

祥子先輩は制服をフルコーディネートで持っていた。

 

あまり接点のない祥子先輩にまで頼む気か。

 

ていうか間に入るの嫌なんだけど。

でも連絡先教えたくないとも言えない。

 

とりあえず祥子先輩に連絡先を教えてもいいか聞く必要があったので私はメールした。

 

黒子「サト子に先輩の連絡先教えてもいいですか?たぶん先輩の制服貸して欲しいとか言うと思いますけど」

 

先輩「うーん・・・制服は貸せないかな;黒子ちゃんならまだしも」

 

ですよね。そしてこれは遠回しに連絡先も教えたくないって言ってますよね。

 

先輩「ていうかサト子ちゃん、自分で買えばいいのに;」

 

同感です。

 

卒業まで一年もないのでサト子はきっとそこにお金をかけたくないのだ。

 

気持ちは分かるけど、がめついし厚かましい。

 

自分の物は自分で買えと思った。

 

そして先輩が制服を貸したくないと聞いた上に連絡先を教えるのも嫌そうだったので、結局私が間に入ってサト子にメールした。

 

「先輩、制服貸すのはちょっと・・って言ってたよ。」と。