お嬢サト子の裏切り(7)男の為に友達を利用する女②
ある日の午後。
授業も終わってサト子と自習室で駄弁っていた。
私は夕方からの予備校までの時間を潰していたのだが、サト子は勝手に川上君待ちだった。
その日、川上君の月1の登校日且つ試験の日だった。
サト子は少しでも川上君と話したかったらしいが、残念ながら教師に「試験中だからダメ」と止められていた。
粘ること数時間後、「次の休み時間なら大丈夫じゃないかな」と教師に言われ、チャイムが鳴った途端サト子は川上君のいる教室に走っていった。
試験中の休み時間なんだから自由に使わせてやれよとも思っていたが。
さて。んじゃ私はそろそろ予備校に行こうかな。
そんなことを思って帰り支度をしていたところにサト子が戻ってきた。
サト子「え、黒子帰るの!?」
黒子「うん。そろそろ予備校行っても時間的に大丈夫だと思うし」
あーしまったという顔をしているサト子。なんかマズイのか。
サト子「えっでも・・・話の口実で川上君に”黒子が川上君に聞きたいことがあるから下で一緒に待ってる”って言っちゃったんだけど・・・」
歯・・・・・・・・・・・・・・・?
聞きたいことどころか話したいとも思わないんですけど?
黒子「は!?なにそれ?話すことなんかないよ。ヤメてよ勝手に。なんでそんなこと言っちゃうの!?」
サト子「ごめん!黒子が大検受けるって言ってたから、川上君と共通の話題になると思って・・」
確かに私は大検を受ける予定があった。
普通の高校では受験不可だが通信制は可能なのだ。
そして川上君は大検受験経験者だ。
で?
だからなに?
受験科目も違うし試験会場だって当然違う。
たとえ同じ「大検」だったとしても彼に話を聞いたところで参考になる話なんて何一つない。
ひとりで受験科目の勉強頑張ればって感じだ。
男の為に周りが見えなくなるのもいい加減にしろよ?ホント最悪。
顔にも態度にも思い切り出してやった。
サト子「ごめん・・・」
サト子はなんか泣きそうになっていた。
そして川上君が下におりてくるまで大した時間はかからないとサト子に懇願されたので私はブチ切れながらも留まってやった。
今なら絶対にしないがマジでお人好しだな当時の私。
そして川上君がおりてきた。
サト子「川上くぅ〜ん♡お疲れ様ぁ♡」
いちいち語尾にハートマークが見える。私と話すときと全く違う声のトーンにびっくりしていると。
川上「聞きたいことって何」
ぶっきらぼうに私に話しかけてきた。サト子スルーはちょっと笑えたが。
ぶっちゃけ話す内容なんて考えてなかったのでものすごくテキトーに話した。
だって聞くことなんてないし。
黒子「大検どうだった?」
川上「普通の試験だけど」
・・・。
黒子「難しかった?」
川上「別に」
・・・。
黒子「そうなんだ・・・(苦笑)」
川上「聞きたいことってそれだけ?」
黒子「あー・・・うん」
おいサト子。
お前コレの何がいいんだマジで。
もともと聞きたいこともなかったのに猿芝居してやった結果、「くだらないこと聞くなよ」的な態度を取られてものすごく腹が立った。
川上、私の質問も大したことないがお前ももう少し会話のキャッチボールをする努力しろ?
「普通の試験だけど」「別に」「それだけ?」はないだろマジで。
ところがこの後サト子がもっと有り得ない行動にでる。
つづく