お嬢サト子の裏切り(8)男の為に友達を利用する女③
サト子のせいで腸が煮えくり返る寸前だった私をよそに、サト子はフォローも入れずに相変わらずキラキラした目と高い声で川上君に話しかけた。
サト子「川上君このあとどうするの〜?」
川上「帰るけど」
サト子「えっじゃぁ一緒に帰ろ〜♡」
ここまで私を無理矢理付き合わせたサト子の目にはもう私は映っていない。
川上「別にいいよ」
サト子「じゃカバン取ってくるから入り口で待ってて〜♡」
よし。さっさと帰れ。
お前ら出てったらようやく私も帰るから!!
ところが。
サト子「黒子はー・・・? どうするのー・・・?」
川上君の「このあとどうするの〜?」とは随分下がったテンションでこちらを見もせずにサト子が言った。
黒子「帰るけど・・・」
サト子「ホントー・・・じゃぁ一緒に帰ろー・・・」
歯? 全然一緒に帰りたそうにないんですけど。かなり棒読みなんですけど!
つーかまだ付き合わなきゃいけないわけ??
黒子「う? うん・・・??」
そしてサト子と私は自習室にカバンを取りに行ったのだが。
自習室に入った途端サト子が猛スピードで早口で耳打ちしてきた。
サト子「黒子、川上君と2人きりで帰らせてくれる!?」
歯ぁああああーーーーーーーーー!?!?!?!?
私は一緒に帰るつもりサラサラなかったけど!!
一緒に帰ろうって言ったのお前だろ!?!?
大検のことといい、いい加減にしろよマジで!!!!!
黒子「私は最初からそのつもりだったけど」
ひと睨みしてものすごく冷ややかに言ってやった。
サト子「あ、そうなんだー・・・」
そして2人で自習室を出て、川上君が待つ入り口へ向かった。
サト子「川上君お待たせ〜♡」
何が”お待たせ〜♡”だこんちくしょう。
私はめちゃくちゃ相当かなりものすごく超キレていた。
黒子「上の教室に用があるから2人で先帰って。私はここで」
ものすごくぶっきらぼうに言い放った。
”上の教室に用がある”なんて誰しも変だと思うであろう意味のない言い訳をわざと言った。
サト子「あ、そうなんだ・・・分かったー・・じゃあね!」
おう。とっとと視界に入らないところへ消え去りやがれ。
そして2人が見えなくなったのを見届けて私も学校を出た。
この日サト子に川上君との話題作りのために利用され、川上君と2人きりになりたいがために利用された。
1日に2回。
いくらなんでも周りが見えてなさすぎる。
自分のことしか考えていない典型だ。
友達にこれほどまでに怒りを覚えたことはない。
この日どうにも怒りがおさまらず、私は別の友達2人にそれぞれメールや電話でグチを聞いてもらった。
つづく