超鈍感セクハラ男(19)T氏、探りを入れまくる
営業「金曜に黒井さんがお休みした時に、実はTさんから電話があったんですよ・・・」
なんだと。
肝い。
まだ何も聞いてないけど肝い。
営業の話はこうだった。
前の週の木曜。
私は不機嫌にT氏の残業を切り上げた後にトイレで吐いてしまい、翌日金曜は欠勤した。
その金曜日、午前中にT氏から営業宛に電話があった。
「黒井さんお休みされてますけど大丈夫ですか?」
と聞かれたそうだ。
派遣から派遣会社への欠勤連絡は担当営業に直接しない。
会社に連絡さえ入れればそれでいい。
T氏から電話をもらった営業は、その時点でまだ黒子の欠勤を知らなかったらしいが、派遣が一度休んだくらいで電話入れてくるなんて変だなと、若干違和感を覚えたらしい。
さらにT氏は
「黒井さん、このまま会社辞めちゃうのかな(笑)」
なんて言ってきたらしいので、
営業は
「まさかー(笑)、まだ契約期間残ってますよー」
と返したらしいが、
「僕のこと、なんか言ってましたか?」
とか
「僕が嫌になっちゃったのかなー(笑)」
とか言ってきたらしい。
何言ってんだと思いながらも事情を知らない営業は
「そんなわけないじゃないですか(笑)」
と返したらしい。
T氏マジ肝いんですけど。探り入れまくりじゃないか。
営業「その日はそれで話は終わったんですけど、実は今日もT氏から電話あったんですよ」
なんだと。
今日というのは月曜日。
私が金曜に続いて欠勤し、病院へ行ったこの日だ。
そういえば・・・
この日、派遣先への欠勤の電話を入れた際にT氏が出たのだが、その後実はT氏から電話着信があり、さらにメールも来ていた。
欠勤連絡を入れてスマホを放置していたのですぐには気づかなかったのだが、着信とメールがあったことでT氏の焦りを感じ取り、若干引いてしまった。
(記事に書くのを忘れてた)
メールの内容は、
こんにちは。
今日、病院に行ったあと、連絡いただけますか?
今日は無理して出勤することないと思いますが、状況を教えていただければと思います。電話でもいいです。
お大事にしてくださいね。
うん。肝い。
何が状況を教えて欲しいだ。
黒子がこのまま会社に来ない上に自分の悪事を公表されるのを恐れているんだろうが。
電話でもいいです? メールもしないわ。
話を戻して・・・
営業の話はこうだった。
黒子からの欠勤連絡を受けたT氏は、また営業宛に電話をよこした。
「黒井さん大丈夫ですか?このまま会社辞めちゃうんですか?」
この時点でまだ事情を知らない営業は、再び違和感を覚える。
営業は
「あー・・そういえば今日も欠勤してますね。でも辞めるなんてそんなわけないじゃないですか(笑)」
と返したらしいが、
T氏は再度、
「黒井さん、僕のことが嫌になっちゃたのかなー(笑)」
などと言ってきたそうだ。
そして
「もしこのまま辞めることになるなら、黒井さんの後に入ってもらう派遣さんに前倒しで来てもらおうと思ってるんですよ。」
と、もはや探りを入れてるんじゃないですよと言わんばかりに言い訳をしてきたらしい。
こういう理由があって黒井さんのことを気にしているんですよ、とでも言いたいんだろう。
しかし営業は相変わらず違和感が消えなかったそうで。
「他の派遣を雇うのはご自由にされてください。」
とビシッと言ったそうな。(カッコイイ)
他の派遣を雇うことと黒子の契約は全く別問題なのだ。
そして営業は
「黒井はまだ契約期間が残っているので辞めるなんてことはありません。そこは責任がありますので。
黒井の後任者であろうが、別の派遣さんを雇われるのはウチの契約とは別問題ですので、そこは必要に応じて判断されてください(雇いたいならご自由にどうぞ)。
しかし、その件でウチの黒井の契約を切るとなると、保障問題になりますよ。」
とまたまたビシッと言ってくれたそうで。
これを聞いたT氏は、もう何も言わなかったそうだが、
最後に営業が
「そういえば今日夕方、黒井と電話で話しますよ。なんか話したいことがあるんですって。
本当は直接会って話したかったらしいんですけど、私の都合が合わなくて夕方の電話にしてもらったんですよね」
体調の話かなー、と言うと、
「それ、黒井さんから何の話があったか僕にもあとで教えてくれますか?状況を把握しておきたいんで」
と言われたらしい。
肝。
あくまで「状況を把握しておきたい」を強調するT氏。
あんたが本当に知りたいのはそこじゃないでしょうに。
さらにT氏、
「夕方以降だと離席してることが多いので、会社の電話ではなくケータイに連絡くれますか」
と言ってスマホの連絡先を教えてきたらしい。
そのスマホが会社のものか個人のものかは分からないが、おそらく個人のものだろう。
肝。
状況把握と言いつつ、自分のことを黒子が話したかどうかを知りたいだけだ。
営業「なので、黒井さんの話を聞いて色々と腑に落ちたんですよね。Tさん相当焦って探りを入れてきてますよね。」
そうですね。相当焦ってますね。
今更慌てても遅いんだけど。
営業「なので、今からTさんに電話入れなきゃいけないんですけど、これスマホにかけなきゃダメかなぁ・・・」
黒子「いや会社でいいと思います」即答。
つづく