超鈍感セクハラ男(20)T氏、鳴るはずのない電話を待つ
営業との話で、とりあえず私は今週一杯は体調不良で休むということになった。
別に嘘ではない。
私はそれで一度電話を切った。
が、すぐにまた営業から電話がかかってきた。
営業「今派遣先に電話したんですけど、今日はもうTさん帰っちゃったみたいで」
歯。
ありえない。
時刻は19:30とかそこらだ。
この会社はとにかく忙しくて、皆最低でも21時までは残っている。
T氏もそうだ。
だいたいいつも私にそのくらいまで残業させたがる。
のに、今日は早々と帰った?
理由が分かるのでマジで笑える。
T氏はこの日の夕方、営業と私が電話で話すことを知り、その内容を後ほど教えてくれと営業にお願いしている。
しかも、離席していることが多いから会社電話ではなく個人スマホにかけてくれと営業に番号を教えている。
つまり、
さっさと家に帰って、会社で聞かれては困る電話を待っているのだ。
自分のスマホが鳴ることを信じて。
しかし残念なことに営業は会社電話にかけた。
滑稽で笑える。
少なくとも私も営業もそう解釈した。
で、営業はどうしたかというと、T氏がいないので元指揮命令者のK氏と話したそうだ。
ちなみに、私の体調不良を聞いたK氏の反応は、
「え!この時期に!?」
繁忙期の大詰めですからね。
K氏「以前の方がめちゃくちゃ仕事振ってたんで、今も僕が指揮命令者だったら黒井さんヤバかったっすね!!」
おう。自覚あったのかい。
そうだよ。あんた単体と、プラスT氏とで大変だったのよ。
営業「それで黒井さん、今後のことなんですが・・・」
営業が言うには、早速派遣会社のコンプライアンス室に問題をあげ、派遣先にクレームを入れてもよいと室長から許可がおりたそうで。
そのためにはまず派遣先の部長にアポをとる必要があると。
その前にも書類の準備等あるから、部長に会って話せるのは何日か後かな、ということだった。
そしてその書類というのは「経緯報告書」のことだ。
感情抜きで起きた事実だけを書くという書面。
そこは営業が聞き取りで作成するのではなく私が書くことになった。
ちなみに提出を求められたため、T氏とのメールのやり取りを全てスクショし、派遣先にデータを送った。
しかし翌日。
T氏からもう一度苦し紛れの攻撃があった。
つづく