超鈍感セクハラ男(18)「そんな男は絶対許さん!!」
夕方。
私は派遣元の担当営業に電話をした。
この担当営業は女性で、相談したことに対していつも上手く対応してくれる。
まず最近の体調面について聞かれたので、今から話すことはそれにも繋がると言った。
黒子「実は、指揮命令者のTさんが気持ち悪くて・・・」
これを聞いた営業、大笑い。
営業「あっはぁ!もー黒井さんたらぁ!(笑)」
って感じ。
黒子「いえ、冗談抜きで本当に気持ち悪いんです。年明けから終業後に必ずメール送ってくるようになったんですけど・・・」
営業「どんな?」
黒子「今日もかわいかったとか」(←かなりすっ飛ばした)
営業「ひゃっ・・・・!!!」
家庭内害虫と出くわしたときのような悲鳴と沈黙。
営業「アカン・・・アカンよそれアカンやつやん!!」
なぜか関西弁。
そして私は今までの経緯を語り出した。
・年明けに指揮命令者がK氏からT氏に代わり、T氏に緊急連絡先を聞かれた。
・T氏は出張・外出が多く、黒子の個人ケータイに必要のないショートメールがよく届くようになったが、徐々に、終業後に毎日必ず緊急性のないメールをよこしてくるようになった。
・仕事にかこつけてLINEのアカウントを聞き出そうとしたり、食事に誘われたこともある。
・休日に連絡してきたり、必要のない出張に付き合わされたこともある。
・出張に付き合った後、T氏個人のスマホに勝手に黒子の番号を登録され、そこから個人的なメールをよこしてくるようになった。返信は一切していない。
・ある日の休憩中にT氏席まで呼ばれ、T氏個人スマホからのメールが届いていないのか聞かれた。
・T氏個人スマホからのメールが届いていないと判断したT氏は、PCメールで「出かける際に会社スマホを忘れることがあるから、(T氏の)個人スマホの番号を登録してほしい」と連絡をよこしてきた。
・「個人の番号は登録できない」と返信をすると軽く謝罪はあったが、その後黒子は態度を変えた。
・その他、勝手に引き出しを開けられたり、あまり必要のない残業を断りもなくさせようとする。
など。
これを聞いた営業はというと、ブチ切れた。
営業「ありえない!!そんな男は絶対許さん!!」
これを聞いて少しホッとした。
T氏が個人スマホから送ってきた内容は確実に下心ありありだが、
それ以前に会社スマホから送ってきたメールはと言うと、第三者が見ても「こんなことでセクハラだとか騒いでんの?」と言われるのではないかと思っていたからだ。
営業が言うには、例え仕事の内容だとしても終業後にほぼ毎日メールをよこしてくる時点でコンプラ違反だと。
営業「それもうウチの会社のコンプライアンス室に報告あげるわ!!」
そんなものがあるのか。
営業「で、これからどうする?もう会社行けないよね・・・?」
黒子「そうですね・・・行きたくはないですけど」
営業「そうよね。行かなくていいよ。あとはこっちでなんとかするから!」
もーホントに許さん!ともう一度ブチ切れてくれた営業。
なんと。会社に行かなくていいとは。
ラッキー。
と思っていると、今度は営業の話が始まった。
営業「今の黒井さんのお話を聞いて、色々と合点がいきました。」
つづく