嘘八百B派遣会社(2)焦る営業マン
今田「次のお仕事なんですが」
今田が切り出したが、実は他の派遣会社で一件紹介されている案件があった。
しかもなかなか好条件で仕事内容にも興味があったため、私は詳細の確認を促している最中だった。
黒子「あ、それなんですけど」
言いかけたところで今田は聞いておらず、勝手に喋り続けた。
今田「今はまだ案件がなかなか揃ってないんですよね・・・
もう少し待っていただければ色々出てくると思うんですけどね〜
ちょっと現段階ではっきりとご紹介できるものがなくて・・・
でも黒井さん、本当に評判が良かったので、ご希望に沿う案件が出てきたら一番にご連絡しますんで!」
まだ言うかおべっか。
しかも勝手にまたB派遣会社と契約する前提で話を進めてる。
私の意向も聞かない。
他にも複数の派遣会社に登録している私にとって、B派遣会社から仕事を決める必要はない。
興味のある求人があれば、その案件を持っている派遣会社に連絡して面接してもらうまでだ。
何勝手にこのままB派遣会社から紹介受ける話にしてんだ。
黒子「あの、次の仕事なんですけど」
勝手にペラペラしゃべっている今田の話を断ち切った。
黒子「他の派遣会社から一件ご紹介があって、そこに興味があるので詳細を調べていただいてる最中なんです」
今田「ぇえっ!!!」
今まで落ち着き払っていた今田は急に取り乱した。
今田「そ、それはどこの派遣会社さんですか!?何のお仕事ですか!?もう選考通って面接まで話は進んでるんですか!?!?」
矢継ぎ早に質問してきた。
黒子「いえ、興味があるからこちらが知りたい内容を調べていただいているところです。」
今田「あのっ!今日っ!このあとすぐに林から電話させますんで!!絶対させますんで!!うちから仕事ありますんで!!!」
おいおい。
たった今180度違うこと言ってたぞ。
今は案件がないとかもう少し待ってろとか言ってたじゃないか。
他の派遣会社に人員を取られそうだと知った途端の今田の変貌ぶりに私はドン引きした。