面倒なバツイチ男⑹ やっぱりめんどくさい。
もう手遅れだったが、とりあえずM氏にメールを返信することにした。
望んでない、迷惑だというのが本心。
だがM氏の行動は悪気のない好意。
これまで散々M氏を悪く言ってきたが、いい人はいい人だ。普段からお世話にもなっていた。
この時点で明確ではないが、私に対して好意を持っているっぽい。
M氏は割と公私混同するタイプ。
傷つけないように言いたいけど、やんわりでもダメそうなので、言いたいことを書いた。
・まずは行動してくれたことに対してのお礼。
・派遣の契約終了について理解、納得している。
・社員でさえリストラされるのに一派遣が残れるとは思ってないし、契約延長したいとも思っていない。
・居心地が良かったので短期間で終了するのは寂しい気持ちもあるが、前向きに就活している。
ざっとこんなことを書いた。
それに対するM氏の返信はというと、件名が「ごめんなさい!!」だった。
先走って勝手なことしてごめんなさいとか、迷惑だったんだねとか。
その他色々と「俺の気持ち」を含む長文が書かれていた。
やっぱりちょっとめんどくさい。
だいたい、部の大ボスが「どうにもならないこと」だときっちり説明してくれたのに、その下の部長や課長にも直談判をしようとする意味が分からない。
上がダメだと言っているのに下に掛け合ってどうするんだ。
他人の為に頑張ってくれるいい人ではあるが、恋愛がらみだといい人ではない。ありがた迷惑。
家庭の事情も話せないのに意外とグイグイくる人だった。
とりあえずこれ以降の「黒井さんを辞めさせないで運動」はなかった。
しかし、厄介ごとはまだまだ続いたのである。
つづく