コスプレに走ったフミ子(2)方向音痴①
フミ子の方向音痴にはホントにびっくりする。
まだ高校生の頃、フミ子と出かけた時のこと。
地元の中心街でウロウロしてどこかお店に入ろうとしていたのだが、フミ子が以前行ったお店がいいと言い出した。
私は行ったことがないお店。
どこにあるのか場所を聞くと、O通り沿いで、周囲がどんな景色でどんな建物があるかを教えてくれた。
どうも今いる場所から道渡って直線上にあるようだった。
フミ子の話を聞いた私のイメージはこんな感じ。
黒子「ここからまっすぐだね」
ところがフミ子は違うと言う。
フミ子「ううん、そっちじゃない。行き方は分かってるからこっち」
「近道を知っている」
「絶対この行き方であってる、間違いない」
というフミ子の言葉を信じてついて行った。
まずフミ子は左にまっすぐ歩き出した。
あれ・・・私が想像してた場所からどんどん離れていくけど、違う場所だったのかな。
フミ子はO通りの端に来たかったようだ。
そこからまっすぐO通りを進んでいったのだが。
たどり着いたのはやはり私がイメージしていた場所だった。
黒子「やっぱりさっきの道まっすぐじゃん!!」
フミ子「え、ごめん、わかんなくて」
フミ子と歩いてきた道は結果的にこう。
かなり大回り。
しかもフミ子が言っていたお店はなかった。
どうも土地の空間把握が苦手なのか、一度歩いた道を辿ることしかできないらしい。
大通りもO通りもフミ子は道沿いに何があるのかイメージできるのだが、なぜか今一歩思考回路が繋がらない。
また、 土地勘のない場所でも今来た道を引き返そうとしたら真逆の方へ進むことがあった。
黒子「そっちじゃないこっち!!」
おいおいマジか。
男はこういうのが可愛いのかもしれないが、頻度が多くて私はイライラしていた。
悪いけどもう少し頭使えって思う。
だいたいフミ子が行きたい場所に付き合うことが多かったので尚更。
当時はスマホはなく、当然地図アプリもなかったが、ケータイでネット検索できたり地図の閲覧はできたので、あんたが行きたい場所ならもう少し下調べをしてきやがれって感じだった。