コスプレに走ったフミ子(1)精神崩壊。
サト子の話に出てきたフミ子の話。
高校生の頃、サト子と一緒に仲良くしていたのがフミ子。
先にサト子とフミ子が仲違いして疎遠となり、その後私は双方と連絡を取っていたが、フミ子が精神的におかしくなった挙句かなり失礼な対応をするようになったため、私はフミ子を切った。
フミ子がどのように失礼になったか。
簡単に言うと男優先になった。
仲良くなった当時はとにかく可愛い人だと思った。
上記のブログにも記載したがフミ子はモテる。
決して美人でもなければ可愛くもない顔でぽっちゃり系だが、性格がとても可愛い。
愛されキャラってやつだ。
そして優柔不断で方向音痴。
男が放っておけなくなるような女の子だった。
しかし彼女と話していて心配になることもあった。
優柔不断。つまりノーと言えない性格。
彼女はよく男性とのメールのやり取りを実況してきたし、友人に押し切られて断れなかったという話も度々していた。
この断れない性格はいつかきっと爆発するんじゃないか、精神的に病んでしまうのではないか・・・
私の予感は遠からず的中する。
高校卒業後、フミ子はすごく厳しい教員育成の専門学校に進学した。
久々に会ったフミ子は少し痩せていた。そして全く元気がなかった。
いつも笑顔満開だったのに、待ち合わせ場所でお互いの姿を確認しても笑顔を向けてはくれなかった。
声のトーンも一定だった。
これは予想以上に病んでいるのかも。
私は今まで以上に心配になった。
たまにメールで学校や友人、サト子に関する愚痴を聞かされており、それは高校の時から変わらないが、卒業後はフミ子が送ってくるメールの文面に大きな変化が見られた。
フミ子は元はリア充に見えるというか愛されキャラで異性にもモテるので、人生楽しく過ごしていそうだなという印象だったし、メール文も絵文字いっぱい元気いっぱいだったのだが・・・
ある時から短文になった。
絵文字も使わなくなった。
ひどい時は句点もつけない。
今思えば伝える努力をしなくなったんだと思うが、例えば3つくらいメールで質問してもフミ子からの返事は「うん」だけ。
歯。それどれに答えたわけ?って感じだった。
ものすごく丁寧に
「この場合はこうなの?それともこういうこと?」
等具体的に聞き直しても、返ってくるメールは「うん」とか「ちがうよ」だけだった。
だから何が「うん」で何が「ちがう」んだよ。
オマエが状況説明しろよ。
なんで私が想像働かせて質問考えてあんたの言いたいことを引き出す努力をしてあげなきゃいけないんだよ。
そんな風にフミ子のメール文はこちらがイライラするものに変わってしまっていた。
ある時は急にフミ子からメールが届いて、
「黒子ちゃん聞いてよ!!サト子ちゃんマジでムカつく!!」
と書いてあったので(これでも珍しく長文)、
「どうしたの?」
と返すと
「知らない!!ムカつきすぎて話す気にもならない!!」
と返ってきた。
歯。
じゃなんでメールしてきたんだよ。
「そう;」
とだけ返信したが、だからなんで私が気を遣わなきゃいけないんだよ。
という感じだった。
そして久々に会って痩せたフミ子と話した時、具体的にやはりフミ子は精神的に病んでいることがわかった。
リストカットをしていたからだ。
フミ子が赤裸々に語ってくれたが、手首に無数の引っかき傷があった。
もう私もうろ覚えだが、
フミ子が言うにはカッターやハサミ、ペン、安全ピンなど肌が傷つくものが手元にあれば引っ掻いてしまうと。
自殺したいわけではない。
手首を引っ掻いて血を見ると気持ちがスカッとするというのだ。
親に心配されて病院にも通っているらしく、親はリストカットをやめさせたかったらしいが、医師はやめなさいとは言わなかったそうだ。
ただ、身近に肌を傷つけてしまうものを置かないように、持ち歩かせないようにとは言われたそうだ。
リストカットで気持ちが落ち着くのであれば、やめろというのは逆効果。
だからと言ってやっていいよとも言えない。
だから押さえ込むような注意はせず、周りの環境を変える方針だったんだと思う。
しかしあの元気いっぱいで可愛らしいフミ子がリストカットをするまで病んでしまうとは・・・
まぁ高3で仲良くなるまでのフミ子の周囲の話を聞いていたが、確かに理不尽だなと思える話は多かった。
主に友人関係でフミ子1人が責めたてられるというか。
教員もまたフミ子だけ注意したりフミ子を変えれば周りのイザコザが落ち着くという考えが多かったようだ。
そう言った話を含め、私が知り合ってからもフミ子の人付き合いで断れない性格を見てきたため、これまでのことが蓄積された結果ではあると思う。