お嬢サト子の裏切り(29)再催促。
10月になった。
あれから約1ヶ月。
ずっと気持ちが晴れなかった。
結局最後はダンナの木田からの謝罪で終わったからだ。
何も真相は明らかになっていない。
もっとサト子本人に言い訳をして欲しかった。
もういいと言いながらも我ながらめんどくさい女だな。とも思っていた。
それでももう一度、私はサト子にメールした。
「説明してくれませんか。
頭にきてもういいと言ってしまったけど。
何1つ真相が明らかになっていなくてずっとモヤモヤしています。
どうせ悪い話ならせめて事の顛末を知ってた方がいい。
現時点では真相が分からないままなので、嘘をつかれたって考えるのが一番辻褄があうんだけど。
違うなら弁明すればいいし、説明した上でちゃんと謝ってほしい。」
黒子。めんどくさい女。
でももうサト子や木田にどう思われてもどうでもよかった。
おそらく彼らは私を恐がっているだろうが、元凶はそっち。
事の発端から既に半年が経過していた。
その間ずっとモヤモヤしながら過ごしてきたのだから私には知る権利がある。
だが案の定、サト子からはまたまた全く返信がこなかった。