黒子の黒い腹のうち

ひいた男、ムカつく女。

面倒なバツイチ男(14) プチ修羅場。M氏なかなか電話を切らない。

kuroikuroko.hatenablog.com

 

翌日M氏からメールが届いた。

 

私が電話をかけた時間はお風呂に行っていて、その後小一時間熟睡してしまい、しばらくケータイに触れずに全く気づかなかったそうだ。

 

「昨日の自分は本当になんてタイミング悪くバカなことをしたんだろう・・・黒子ちゃんから電話かかってきたのに・・・!」

 

みたいな内容だった。

 

告白されてないので、まだこの中途半端なアピールが気持ち悪いときである。

 

私は「文字だと誤解を招いてばかりだったので直接話そうと思っただけです」と返信した。

 

 

その後のことはあまり覚えてないが、最終出勤日と送別会を迎え、翌日M氏と食事に行ったと思う。

 

それからもたまにM氏からメールが届いた。

 

出張先での部員の様子など。

 

私は会社辞めたし、あとは徐々にフェードアウトしようと思っていた。

 

本来ならバッサリ切りたいところだが、実は次の派遣先は同じビル内のグループ会社で、今後もM氏や部員と顔を合わせる機会がある為そう簡単にはバッサリできなかった。

 

M氏には派遣先でかなりお世話になった。

 

いい人だが、友達としてプライベートで付き合ってもいい人・・・ではない。

 

重い。

 

せめて傷つけず、いつのまにか連絡とらなくなったねーと終わらせたかった。

 

 

しかしそう上手くいかなかった。

 

M氏、なんと電話をかけてきたのである。

 

しかも彼氏と久々の外食中に。

 

しかも金曜のゴールデンタイムに。

 

これは完全に私のせいである。

 

こちらから電話をかけたことがあるからだ。

 

おそらくそれで「電話をしてもいい人」認定されてしまったのだろう。

 

 

さぁ食べようというときに、テーブル上に置いていたケータイが鳴った。

 

画面表示はM氏。

 

これはマズイと思った。

 

当時の彼氏はかなりの束縛型で独占欲が強い人だった。

 

会社の話をよくしていたので、彼氏はM氏の名前を知っている。

 

私のケータイの着信画面を見た彼氏は一瞬鋭い目つきで固まった。

 

会社を辞めてもう随分経つのに、その会社の男から何の用?つーか電話してくる仲?

 

彼氏の目はそう言っていた。

 

私は慌てて「彼氏と外食中だからと電話断ってくる」と言って離席した。

 

電話に出ると、何かのお礼を直接言いたかったとのことだった。

 

何の件だったか覚えてはいないが、たまにメール返す程度の付き合いなのでお礼もメールにして欲しかった。

 

直接言いたかったのは口実で電話したかっただけだろう。

 

用件は聞いたので「あーそうでしたか、今彼氏とご飯食べにきてて(もう切っていいですか?)」と言うと、

 

「あー、、そうだったんだ。とにかくお礼を言いたくてね。それで」

 

と、話を続けたそうで切る気なし。

 

ちょっとびっくりしたが、こちらは話を続ける気はないので何度か「あー」と行って途中で遮った。

 

「すみません今、彼氏と、ご飯食べにきててー・・・(もういいかい?)」

 

今度は「彼氏」を少し強調してみた。

 

それでもM氏は電話を切ろうとする気配がない。

 

「そんな時にごめんね」とか「じゃまして悪かったね」とか言って切ってくれるかと思った。

 

全然そんな気配なし。

 

本当に驚いた。

 

再度「今彼氏とご飯食べにきてるので、また・・・」と言ってみた。

 

またの機会にとか、またメールする、とは言わなかったが、M氏が「あー・・・じゃぁまたメールするよ」と言ってとりあえず切ってくれた。

 

メールは極力いらないんですけども。

 

その後席に戻ると彼氏に「なに、飯でも誘われた?」と笑顔で聞かれた。

 

ムリヤリ笑顔で心底イライラしているのがよく分かる。

 

「なんかお礼言いたかったんだって」と言ったが、やはり怒られた。

 

離席したのが嫌だったらしい。

 

やましいことがないなら目の前で話せ、だそうで。

 

 ・・・いや離席しない?

 

 

そしてその後M氏からメールが届いていた。

 

「さっきは電話したタイミングが悪かったね。」

 

 

 

 

 

 

 

いや謝れよ。

 

悪かったのはタイミングじゃなくて、人と食事中だと何度も言っているのに電話を切ろうとしなかったとこだろ。

 

ていうか彼氏持ちに金曜のゴールデンタイムにかけてくんな。

 

毎週末彼氏と会っていると話しただろ。

 

東出昌大ペ・ヨンジュンを足して2で割ったような温厚そうな容姿だが、恋愛においては意外と自己中かもしれないと思った瞬間だった。

 

 

つづく