お嬢サト子の裏切り(34)解決。?
「要望4つも含めて、黒子の言う通りだと本当に思うし、黒子の気持ちを理解できました。
自分もされたら不快に思うことばかりでなんと申し上げたら良いか分からないくらいです。
黒子の気遣いに感謝しています。」
サト子の返事はこうだった。
その数日後、これで疎遠にならないようにと私は最後の気遣いをした。
このままだと恐らくサト子からは永遠に連絡は来なくなるため、
「今は無理でも、またお互い気持ちの整理がついて、落ち着いたらご飯に行ったりしようね。」
とメールを送った。
ツンデレ黒子。part2。
さて。
それからサト子から連絡が
来るわけがない。
実際は分かっていた。
どのツラ下げて普通に連絡できようか、否できまい。
しかし私からはもっと連絡するわけもなく。
サト子から「お詫びに食事にでも行こう」とか、何かお詫びをすると言ってくれたら2人の関係は戻ったかもしれない。
しかしサト子。
そんな気遣いができるわけがなかった。
気遣いできないから本件、問題が大きくなったわけで。
4つの要望?
あれだって守られるわけないと分かっていた。
だってその後連絡くれるわけないもん。
むしろ彼女の中で黒子はトラウマとなっただろう。
私もこの件は忘れられない出来事となった。
余計に人間不信がひどくなった。
何度か書いたが、本件のためにサト子の悪い点をピックアップしたまでで、実際サト子とは仲良くしていたし何でも話せる親友だと思っていた。
どんなに自分に非があるような話でもサト子は気持ちを解ろうとしてくれたし、私もそうだった。
サト子とはあまり会う仲ではなかったがその距離感がちょうどよかったし、サト子が頼ってくれているのも分かっていた。
だからこそ
ダンナから初めてメールをもらい、挙式が予定通り行われることを知った際、本当に本当に大大大大大ショックだった。
何ヶ月も連絡取れないのは実は挙式の準備を進めていたからなの?
ダンナの身内に不幸があったって、
それで式キャンセルしたって、
事情が事情だったからキャンセル料も発生しなかったって、
拍子抜けしたって、
あれ全部嘘だったの?
小学生の頃、1人だけ友人のバースデーパーティーに招待されなかったと大泣きしていたクラスメイトのことを思い出した。
ダンナから連絡をもらった翌日から式が終わるまでの1週間は仕事が手につかなかった。
仕事中に涙が溢れてきたこともある。
当時はロングヘアで、サト子の結婚式が終わってからショートにしようと思っていたが、式ができなくなったと聞いてからすぐに髪を切った。
でも式は予定通り準備が進んでいた。
職場の人にも「友達の結婚式があるんじゃなかったの?」と聞かれ、私は答えられなかった。
友達が結婚すると疎遠になるってこういうことかなとも思った。
抱えていた問題がこれ1つではなかったため毎日が憂鬱だった。
だからお詫びくらいしてほしかった。
ものが欲しいんじゃない。
そういう気持ちを感じられれば少なくともナメられてるんじゃないと思えた気がする。
縁を切りたくて言いたい放題言ったのではない。
今後も繋げていくために解決したかった。
だが実際は電話もなかったしメールの文字だけで終わった。
サト子としては説明できることを全部話して、これ以上何を求めるんだって感じかもしれない。
それでも文字だけのやり取りなんてなんとも味気ない。
文字からは感情までは読み取れない。
このことは今まで誰にも話したことがない。
こうしてサト子とは疎遠となり、結局私は唯一無二の親友を失った。